2021-08-14 むかしのこと。 雨の日のコンクリートのにおい。 学校までの一本道と誰もいない教室。 わすれものをしてイエまで取りに帰る。 こんなありふれたことが鮮明に思い出せる。 あのころはまいにちがものがたりだった。 いま,ぼくは昨日のことについて語れない。 なにかちがってしまっているだろうか? ありふれたことはいまにもたくさんあって, 時間は平等に流れて,過ぎる。 それでも,その一瞬を掬い取れないなら, ぼくたちはいまどこにいるのだろう。 違う世界にでも迷い込んでしまったの?